2008年07月20日

竹笛のお手入れ、ひび割れの修理 4

たいせつな竹笛にひび割れができた。割れ目が見えるようなひび割れならボンドを擦りこんでボルトバンドで締めあげて修理します。使用するボンドは一般的な木工用ボンドでOKなのですが、最近はもっと強力なボンドも出まわっています。

ウルトラ多用途、なんだそうです。

コニシ株式会社が発売している「ウルトラ多用途S・U」というボンドです。世界楽器てみる屋で売っているオーバートーンフルートに使っています。溶剤を使わない、健康に害のないボンドを探していて見つけました。空気中の水分と反応して固まります。これがけっこう頼りになる。

» ウルトラ多用途S・Uスペシャルサイト

一般的な木工用ボンドにたいしての長所は以下のような感じです。

  • 接着力が強い(木工用ボンドもそうとう強いですが)
  • 竹笛の表面に残ったボンドは爪でこするとポロポロときれいに落ちる(木工用ボンドよりも)
  • 透明度が高い
  • 固まっても肉やせしない
  • 耐水性

逆に短所は以下のような感じです。

  • 粘りけが強いので、線のようにうすい割れ目だと奥までボンドが通らない
  • 固まりだすのが早い、もたもたしていると割れ目をとじることができなくなる
  • 耐水性なので失敗してもやり直しできない

以上をふまえて、使い分けはこんな感じでしょうか。

  • 線のようにうすくて長い割れ目には木工用ボンド
  • はっきり割れた短い割れ目にはウルトラ多用途S・U

これ、竹笛の修理に使えるのは空気の乾燥した冬だけです!
高温高湿度の夏時期では、固まるのが早すぎて作業できません。

強いといえば、A,B液を混ぜあわせるエポキシボンドが強力ですが、固まると石のようになるので竹笛の表面に残ったボンドをどうやって拭きとるか、という課題があります。見栄えを気にしなければ一番頼りになるボンドだと思いますが。なるべく硬化時間の長いタイプを使ってください。

 

2008年07月10日

竹笛のお手入れ、ひび割れの修理 3

たいせつな竹笛にひび割れができた。割れ目が見えるようなひび割れは修理したほうがよいでしょう。割れ目にボンドを擦りこんで、ボルトバンドで締めあげ、割れ目を接着します。

ひび割れの修理のしかた

割れ目が見えるようなひび割れは、修理したほうがいいでしょう。割れ目にボンドを擦りこんでボルトバンドで締めあげ、割れ目を接着します。でも素人作業ですから竹笛に擦り傷がついたり、割れ目がかんぜんにとじなかったりすることもあります。そのへんはしかたないと覚悟してください。

用意するもの

竹笛のひび割れを修理するために以下のものを使います。

  • 木工用ボンド
  • ボンドのヘラ
  • マスキングテープ
  • オフィス・クリーナー(A4紙のきれはし?)
  • ボルトバンド
  • ごついプラスドライバ
  • A4紙を縦に裂いてつくった紙テープ

手順1:割れ目のまわりをマスキングテープで隠す

いきなり割れ目にボンドを塗ると竹笛がべたべたになります。割れ目のまわりを汚さないように、マスキングテープで隠してください。当然、できるだけ割れ目ぎりぎりまで隠すとよいです。このへんは手先の器用さよりも視力の勝負だったりします。電気スタンドの直下で作業すると眼の被写体深度が高くなるので作業しやすいです。

写真は…あんまりきれいに隠せていませんが、多少のべたべたは乾いたあとで擦りおとせるので、そう神経質にならなくてもいいです。

手順2:割れ目にすばやくボンドを擦りこむ

割れ目の中には空気があると理解してください。これを追いだしながらボンドを擦りこまないと奥までボンドが入りません。

割れ目の端にボンドを一たらしして、ヘラで押しつぶします。「塗り広げる」じゃなくて、上からぐいぐい押して、ボンドを割れ目の中に押しこむ感じです。割れ目の中の空気は横から追いだす感じです。そうして割れ目にそって少しずつボンドを広げていきます。
とにかく割れ目の中の空気を追いだすことに集中してください。

※ この作業はすばやく行います。割れ目をとじる前にボンドが固まると…割れ目をとじることができなくなります。

手順3:ボルトバンドで割れ目を締めあげる

マスキングテープをはがします。割れ目にのっている余分なボンドを紙のきれはしで拭きとります…ここでもたもたするくらいだったら、そのままでもいいかもしれません。乾いたあとで擦りおとせるので。

ボルトバンドで割れ目を締めあげます。ボルトバンドはたとえば、庭の水道蛇口に取りつけたホースが水圧で抜けないように締めて留めるのに使います。ホームセンターとか金物屋に売っていると思います。選べるならごついやつが強力です。あんまりごついと竹笛にたいしてガバガバだったりするので、そのへんはいろいろ探してください。

竹笛をそのままボルトバンドで締めあげると傷だらけになりますから、間に紙をはさみます。で、ボルトバンドをドライバーでぎりぎり締めていきます。紙をはさむだけだと、竹笛に傷が付くようです。紙といっしょに0.3mm厚のプラ板をはさんだら傷が付きませんでした。(2008/11/7加筆)

※ 必ずボルトバンドを握って、ドライバーで締めてください!竹笛を握ってドライバーで締めるとテコの力が竹笛にかかり、竹笛を傷つけます。

※ 写真のような節目の部分なら渾身の力で締めあげても大丈夫です。締めあげて、一息つくと竹がなじむのでまた締めあげます。

※ 指穴の近くなど節目のない部分は気をつけて締めあげます。「ぱきっ」と音がするようなら既にヤバイ状態です。それ以上締めあげないでください。(そういう意味では指穴ちかくのひび割れはきれいに修理できないかもしれません。)

手順3:ボンドが固まったら表面をきれいにして完成

竹笛をボルトバンドで締めあげたまま24時間おきます。ボンドが固まったらボルトバンドをはずして、紙がボンドに貼りついているなら爪や指の腹で擦りおとします。こんなでたいていきれいに落ちますが、どうしてもだめなら濡らしてかたくしぼった布で拭いてもいいかもしれません。木工ボンドは水溶性なので水で落ちます。びしょびしょにするとまた割れ目がひらいてしまうので、固くしぼった布で拭いてください。

そんなこんなで完成です。

 

竹笛のお手入れ、ひび割れの修理 2

たいせつな竹笛にひび割れができた。割れ目が見えるようなひび割れは修理したほうがよいでしょう。でも素人作業だから工具で傷がついたり、かんぜんに割れ目がとじなかったりします。

すき間が見えるようなひび割れなら修理する

「絶対にひび割れだ。光の加減ですき間が見える。私の視力は1.5だ。」というときは修理するのがいいと思います。割れ目にボンドを擦りこみ、ボルトバンドで締めあげてひび割れを接着します。ただし擦り傷がついたり割れ目がきれいに閉じてくれないこともあります。
→具体的な手順は次回に説明します。

竹笛は自然素材でできていますから、ひび割れはできるものだと覚悟するのがいいです。ひび割れも別に、ひどくならなければ末永く使い続けることができるわけですし。

 

2008年06月01日

竹笛のお手入れ、ひび割れの修理 1

たいせつな竹笛にひび割れができた。ひび割れはひどくなると竹笛が割れてしまうこともありますが、軽度のうちはいきなり修理せずに様子見したほうがいいかもしれません。

早まって瞬間接着剤を使わないこと

いつも吹いている竹笛がひび割れた、どうしようっ。ひょっとして割れてしまうの?たいせつにしていたのに…気持ちはわかりますが、あわててひび割れの上に瞬間接着剤をたらすのは待ってください。割れ目がひらいたまま瞬間接着剤を塗るとそのまま固まります。そうなるとひび割れは二度とふさがりません。

いままで割れなかったんだから今日明日割れたりしません。まずは落ちついて状況を把握しましょう。

軽度なら瞬間接着剤か様子見

竹笛の繊維方向にそってうっすらと筋のような線が見える。ひび割れと断定できないけれど、でも以前はこんな線はなかったような…。たしかにそれはひび割れかもしれません、でも昔からついていたひっかき傷かもしれません。こんなときはそのまま様子見するのも一つの手です。案外そのままいけるかもしれません。ひび割れらしきものを抱えているほうが竹笛の管理に気をつかうでしょうから、かえってよいかもしれません。

「だめ、どうしても気になるっ」という人は線にそって瞬間接着剤を塗るとよいと思います。この段階だと割れ目はひらいていませんから、瞬間接着剤がひび割れを悪化させることもないでしょう。ただし瞬間接着剤を塗った跡がどうしてもテラテラした感じになっていまいます。

 

2008年05月12日

竹笛のお手入れ 7

大切な楽器だから末永く使いたい。竹笛をしばらく吹かずにいると乾燥が進みます。乾燥した笛をいきなり吹くとひび割れることがあります。乾燥した笛は少しずつ吹いて、少しずつ水分を補給してあげます。

冬に長く吹かずに放置するのは危険

冬から春先にかけての乾燥しがちな時期に竹笛を吹かずに放っておくと、どんどん乾燥が進みます。からからに乾燥した竹笛を今度は水が垂れるほど長時間吹くと、管の内部が水を吸って急激にふくらみ、パリっとひび割れます。

購入したばかりの笛も同じです。うちの商品の竹笛は乾燥しないようにと、段ボール箱の底に湿ったタオルを敷いて、すのこを置いてその上に保存しています。湿度計が50%を下回らないように気を付けていますから大丈夫とは思いますが…どうなんでしょう。

乾燥した竹笛は少しずつ保湿させる

乾燥した竹笛はいつひび割れてもおかしくありません。ひび割れを防ぐために竹笛に保湿させる必要がありますが…だからといっていきなり水につけると一発で割れます。急激に膨張してひび割れしないように少しずつ水分を補給します。

最初の一週間は30分ずつくらい、少しずつ吹きます。自分の寝ていた布団の中に竹笛を寝かせて水分を吸収させるのもいいと思います。

6月はカビが生えるほど湿度が高いので、竹笛がひび割れる心配はまずありません。そういう意味では、初夏~秋口に竹笛を購入するとよいかもしれません。そして秋の終わりに油で表面を保護して越冬に備えます。

 

2008年05月02日

竹笛のお手入れ 6

大切な楽器だから末永く使いたい。竹笛は極端に乾燥するとひび割れます。竹笛を乾燥させないために表面を保護するために、胡桃油で磨くとよいです。

くるみ油は、普通にくるみの油です。昔から木製家具や食器の仕上げに使われてきました。空気中の酸素と反応してヤニのように硬化し、耐水性の膜を作ります。竹笛の表面をくるみ油で磨き耐水性の膜で覆って、極端な水分の蒸発を防ぎます。

※ 表面を漆やラッカー、ウレタン樹脂などでコーティングしている笛は、油で磨く必要はありません。つか意味ありません。

いつ磨くか、どれくらいの頻度で磨くか

  • 購入してすぐ
  • 11月頃、そろそろ乾燥が厳しくなる前に
  • 思い出したときに、気が向いたときに

用意するもの

  • 市販の生の胡桃を二片ほど
  • お茶パック
  • キッチンペーパー
  • スリコギもしくはスプーンなど
  • まな板もしくは小皿など

磨き方

普通に食料品店で売っている生のくるみを二片ほど、お茶パックに入れて、まな板の上に置いてスリコギで押しつぶします。がんがん叩くよりも、体重をかけてぎゅーっと押しつぶすのがよいです。

すぐに油がしみ出てくるので、お茶パックごと竹笛に擦りつけます。両手は油でベタベタになるので、いっそ両手で油を塗り広げるといいです。飽きるまで――5分くらい?――竹笛の表面にぐいぐい油を擦り込みます。

気が済むまで油を擦り込んだら、ペーパータオルで余分な油を拭き取ります。くるみ油は空気中の酸素と反応して硬化します。余分な油が残っていたり指紋がついていたりするとそのまま固まるので、しっかり拭き取ります。っても硬化はずいぶんゆっくりので、のんびり作業してOKです。作業を終えたら竹笛を数日そっとしておきます。ま、すぐに吹いても問題ないと思います。私は次の日には吹きました。

これで冬の乾燥時期にもかなり耐えてくれるはず。吹くと少し胡桃くさい。

 

2008年04月22日

竹笛のお手入れ 5

大切な楽器だから末永く使いたい。毎日のお手入れと保管方法について、うちの竹笛を製作しているエリックさんからアドバイスを頂きました。やはり乾燥させないこと、ひび割れさせないことに気をつけているようです。

製作者エリックからのアドバイス

世界楽器てみる屋で販売している竹笛はUSAフロリダ州の工房で製作されています。竹笛のお手入れや保管方法について、マイスターのエリックさんからのアドバイスを頂きました。

  • 夏は焼けたダッシュボードの上に置くな。冬はスキー旅行に持っていくな。
  • 雪の降る屋外で演奏するな。
  • 寒い日に暖まったヒーターや電気カーペットの上に置くな。
  • セーターを着たいと思うような日はフルートもバッグに入れてやれ。
  • バッグを持っていないなら作れ。もしくは買え。
  • 私はフルートの手入れにミネラルオイルを使う。他には胡桃油や亜麻仁油など。
  • フルートの表面に輝きを取り戻すためにオイルで磨け。
  • 磨いたあとはナプキンできっちりオイルを拭き取り、乾かすこと。
  • フルートの内部をオイルで磨くのも有り。
  • ついでに吹口、指穴の縁にもオイルをしみこませるといい。小さい布の先っぽを使うとうまくいく。
  • 4ヶ月~6ヶ月に一度はオイルで磨くといい

やはり乾燥させない、ひび割れさせないことを主眼に考えているようです。オイルで磨く云々の話はこれから詳しく説明していきますね。

 

2008年04月16日

竹笛のお手入れ 4

大切な楽器だから末永く使いたい。自然素材でできた竹笛は湿度管理が大切です。温湿度計があれば竹笛にベストな環境を見つけることができます。

温湿度計を手に入れよう

竹笛は湿気るとカビが生え乾燥するとひび割れます。カビはこすれば落ちますがひび割れると鳴らなくなるので、どちらかというと乾燥のしすぎに気をつけます。竹笛は適度な温度・湿度の部屋に保管しましょう…ったって具体的にどこよっ!?

一番間違いのない方法は温湿度計を使って実際に自分の家の温度・湿度をあちこち調べてみることです。快適だと思っていた居間が意外に乾燥しているかもしれません。思ってもみなかった穴場を見つけるかもしれません。湿度は時間帯によっても変わります。夜になると空気中の水分そのまま気温が下がるため、相対的に湿度は高くなります。

写真はホームセンターで875円で購入した温湿度計。安物ですが、あるとないでは大違いの心強い味方です。

 

竹笛のお手入れ 3

大切な楽器だから末永く使いたい。竹笛はひび割れると音が出なくなりますから、保管するときは乾燥に気をつけます。といっても、いつも吹いていれば適度に水分を補給できるのでそうそう割れないものですが。

梅雨時期の保管

四季のうちで唯一、ひび割れを心配しなくていい時期です。むしろカビます。竹笛を演奏し終わったら中に結露した水分をよく拭いて、裸のまま陽の当たらない涼しいところ――人が快適に過ごせる室内――に放置します。それでもカビが生えたら、布でこすり落としてください。

冬時期の保管

人にとってつらい乾燥の冬は竹笛にとっても試練の時期です。まず保管云々より毎日吹いて水分を補給させるのが一番です。長く吹かずにずっと放置するのが竹笛には一番悪いです。

竹笛を演奏し終わったら中に結露した水分をよく拭いて、とにかく乾燥させないように木箱とかに入れます。布ケースなら気密性の高い材質のもの、あるいは皮ケースとか。(ビニールケースはやりすぎでしょうか?)。

置き場所は、人が快適に過ごせる室内なら申し分ないのですが、エアコンや電気ストーブをつけた部屋は極端に乾燥していることがあります。喉とお肌のためにも加湿器の使用などを考えた方がいいです。

その他の季節の保管

いつも吹いていれば基本的に大丈夫です。竹笛を演奏し終わったら中に結露した水分をよく拭いて、裸のままあるいは布ケースに入れて、人が快適に過ごせる室内に置きます。ビニールケースなどあまり気密性の高い入れ物に入れると、カビます。

 

2008年04月02日

竹笛のお手入れ 2

大切な楽器だから末永く使いたい。竹笛を吹くと息に含まれる水分が内部で結露します。竹笛は乾燥しすぎると割れてしまうので多少の湿り気は必要ですが、びしょびしょのまま放置するのも考えものです。

演奏し終わったら中を拭こう

いつも竹笛を吹いていれば、そうそうひび割れません。吹くことによって適度な水分を補給できるからです。だからといって中がびしょびしょのままほったらかすと、梅雨時期だと一発でカビが生えます。竹笛を演奏し終わったら中にたまった水を拭き取りましょう。

楽器店でクリーニング棒を入手してください。棒の先のスリットに包帯を引っかけて、棒全体にくるくるっと巻き付けます。そうして竹笛に突っ込んで中にたまった水を拭き取ってください。竹笛の表面も気になるなら、別にやわらかな布でかるく磨くといいです。

冬の時期は水分補給が重要課題ですから、少し遊んだだけなら拭かなくてもいいと思います。ぼとぼと垂れるほど濡れたら拭くとよいです。

C管の竹笛の場合

小型の笛はリコーダー用のクリーニング棒が使えます。写真の手前の短いクリーニング棒がそれです。楽器店で200円くらいで売っています。

G管、D管の竹笛の場合

中型、大型の笛はリコーダー用のクリーニング棒では短すぎて奥まで届きません。コンサートフルート用のクリーニング棒を使うといいです。二本の棒をジョイントで繋ぐと一本の長いクリーニング棒になります。写真の長いクリーニング棒は『ヤマハ クリーニングロッド フルート用 ロングタイプ』です。”ロングタイプ”というのがミソです。3,465円しました。

あるいは100円ショップで長い丸棒を買ってきて、先にガーゼを巻きつけて使ってもいいと思います。実際、私は今までずっとそうしてきました。今回の記事を書くためにわざわざ長いクリーニング棒を買って帰ったのです。せっかく買ったんだから使いますけど。

インディアンフルートの場合

インディアンフルートは歌口の部分に仕切の壁があって、管全体が吹口側と指穴側に分かれています。クリーニング棒を吹口側と指穴側の両方から突っ込んで中にたまった水を拭き取ってください。

ただし主に結露するのは吹口側です。指穴側は濡れないので、私はめったに拭きません。吹口側だけ掃除するならリコーダー用の小さなクリーニング棒で十分です。指穴側も掃除するなら長いクリーニング棒が必要です。(でもほんとうに指穴側は濡れることがないです。)

クリーニング棒を力まかせに突っ込んで仕切の壁を突き破らないように注意。

 

2008年03月23日

竹笛のお手入れ 1

大切な楽器だから末永く使いたい。日本は四季に恵まれた美しい国ですが気温と湿度の変化も大きいので、楽器にとっては過酷な国です。竹笛は自然素材ですから、気温や湿度の影響を強く受けます。

夏はカビる、冬はひび割れる

日本の夏はすごい湿度です。私の住んでいるところが九州だからでしょうか、梅雨の湿度は亜熱帯顔負けな気がします。窓も壁もびしょびしょ。私は竹笛を吹き終わったら中を吹くようにしていますが、なかなか乾きません。そんな日が何日も続くと…笛の内側にカビが生えてきます。赤や緑、黒となんだかカラフルになったり、ぽやぽやと白い綿毛が生えたりします。

冬は、あの夏の暑さがうそだったかのように寒くなります。なにもかも真っ白に乾燥します。こんな季節にずっと竹笛を吹かずに放っておくと乾燥しすぎて、ついにヒビが入ります。ひどいときには割れます。

ひび割れだけは避けよう

湿気るとカビる、乾燥するとひび割れる。竹笛にとって一番いいのは「湿気ず乾燥せず」なのですが、これはなかなか難しい。カビはこすれば落ちますが、ひび割れはひどくなると音が出なくなり、最後には割れてしまいます。カビとひび割れ、両方に気をつけるのが難しいならひび割れの方に気をつけるべきです。つまり、いつもある程度保湿させること、乾燥させないこと。